今こそGO TO 歯医者！
2020.12.29
現在新型コロナウイルスが猛威を振るい、感染拡大を止めることができていません。医療現場は逼迫した状況となり、感染拡大を食い止めるためにもより一層の対策が必要となります。コロナ禍での疲弊した景気・経済対策として始まった”GO TO トラベル”と”GO TO イート”ですが、感染拡大で混乱を極めて一部停止されることが決定しました。
マスク暮らしと対極とも言える、お口を開ける歯科医院での治療はコロナ禍において敬遠されがちですが、歯医者に行かないことで逆にお口の中の問題が深刻化しています。
”歯医者に行かない”は危ない！？口腔内環境の悪化について
最近、歯に少しの違和感を覚えても歯科医院の受診を控えて我慢をされる方が多く、痛みが出てどうにも我慢ができなくなり受診をされるケースが見られます。主に痛みの原因としては、歯周病の悪化と虫歯の進行があります。歯周病が悪化することで歯が揺れてきて食事が摂りにくくなったり、最悪の場合歯を抜かないといけないこともあります。また虫歯が進行した場合、強い痛みが出て歯の神経を抜かないといけなくなったり、歯自体を抜かないといけなくなることもあります。痛みが出る前に歯科医院を受診されて治療をしていたら、神経を温存できたり歯を残せたというケースもあります。”もっと早くに来ればよかった”という患者さんの声も少なくありません。
コロナの体内への侵入はお口から！
お口はからだの入り口であり、コロナウイルスもお口を通り体内に入ってきます。ウイルスはアンジオテンシン変換酵素２（ACE2）受容体というものに結合して体内に侵入していくのですが、その受容体はお口の粘膜や舌の上皮細胞に多いためウイルスが増殖しやすいのです。さらに歯周病などの炎症が口腔内にあることで、細胞が傷害されてACE2受容体が露出してウイルス感染が起こりやすい状況になります。
コロナに関連する肺炎は3種類あります。
①新型コロナウイルス自体が原因の肺炎
②新型コロナウイルスと細菌が混合して引き起こす肺炎
③新型コロナウイルス感染が軽快したあと、ダメージを負った肺が二次的に細菌に感染することによる肺炎
②③の細菌感染の原因となっているのが歯周病原菌を含む口腔内の細菌です。
お口には300〜500種類の常在菌が棲んでおり、唾液には１滴あたり1〜10億もの細菌が含まれていることがわかっています。常在菌たちはお口の中では病原性はありませんが、お口の中から唾液や血液を介して他の臓器などに移ると、害となることがあります。特に歯周病などの炎症がお口の中にあると慢性的に出血している状態となり、お口の中の細菌たちが血中に移行しやすく肺まで達したときに肺炎となります。
単に細菌が感染するだけでなく、歯周病原菌が肺炎を重症化することも明らかになっています。
サイトカインストームとは
新型コロナウイルスに感染すると、免疫細胞は”サイトカイン”と呼ばれるタンパク質を放出します。このサイトカインによって免疫が活性化されて、感染した細胞を攻撃していきます。しかし肺に重い炎症があるとサイトカインが過剰に分泌されて、免疫の暴走が始まってしまいます。この免疫の暴走は”サイトカインストーム”と呼ばれ、感染した細胞だけでなく正常な自分自身の細胞まで攻撃してしまい、更に過剰な炎症を引き起こして多臓器不全に陥ってしまいます。このようにして新型コロナウイルス感染の重症化が起こります。
歯周病原菌が肺炎を重症化させる！？
また、歯周病原菌が新型コロナウイルスによる肺炎の重症化を引き起こすともいわれています。歯周病原菌にはLPSと呼ばれる内毒素があり、炎症性のサイトカインを大量に放出します。サイトカインを大量に放出することで、サイトカインストームを誘発し重篤な状態に陥る可能性があるのです。
お口の中の状態を悪化させないためにも、また万が一新型コロナウイルスに感染場合に重症化させないためにも口腔内環境を清潔にすることが大事です。歯科医院でお口の中のリスクをチェックしてもらい、炎症の原因となる虫歯や歯周病に対して治療をしていくことが重要です。
歯科医院での治療は水を出して歯を削っていくため、エアゾルが発生しやすく通常よりも感染しやすいとお思いかもしれません。しかしこれまで歯科医院での患者様への新型コロナウイルス感染の報告はありません。（スタッフ同士のバックヤードでのクラスターの報告はありました。）
（サンデー毎日より引用）
なお、患者様に安心してご来院していただけるように当院では徹底した感染対策を行っております。
詳しくは、『当院での感染対策の取り組みとご来院の患者様へのお願い』のお知らせをご覧ください。
福岡市南区の歯医者 パセオ野間大池歯科
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