福岡市南区の歯医者なら『パセオ野間大池歯科』へ

その他

歯の神経を抜いたらどうなるの?

2020.12.29

その他

歯の神経を抜いたらどうなるの?と患者さんによく聞かれます。

歯の神経は一体どのような働きをしているのかをまず説明していきます。

【構造】

歯の一番外側にはエナメル質があり、その中に象牙質が、さらにその中にあるのが歯髄です。歯髄は、神経と血管からできており、この歯髄を取ることを一般的に神経を取るといいます。

【神経の働き】

神経は、一番わかりやすい働きは冷たいものや熱いもの、歯を削られた時などの刺激を感じ取り、痛みを出す役割があります。この痛みを感じるのが嫌で神経を取って欲しいと言われる方もいますが、この痛みを感じることで歯に異常があることがわかるので、神経があると安心です。神経を取ってしまった歯が悪くなりやすいのは、痛みがないために、もしくは出にくいために歯医者に行かなくなって、気付いた時には手遅れとなる人が多いです。

【神経の治療後の影響】

神経の治療を行うと、便宜上歯をかなり削る必要が出てきます。これは神経のある部屋に器具を到達させる時に、神経の上に歯が残っていると器具が入らないためです。神経の治療を行うと、歯の重さは半分ほどになるという研究もあります。これはつまり歯の半分を削るということです。歯の内部が削り取られることで、歯の強度も落ちてしまい、歯が折れてしまうリスクも上がります。神経を取った後のリスクとしては、この破折が1つ挙げられます。

次に起こる影響は、先ほど説明した痛みが出ないために、歯が悪くなっていることに気づかないというリスクです。

さらに、神経の治療をした後に出る影響としてあるのは、根管内の感染です。根管とは、神経のあった部屋のことです。神経が生きている時は、免疫も働くと言われていますし、感染すれば痛みが伴うことがほとんどなので、基本的には、細菌は神経の部屋にはいない状態が普通です。しかし、治療を行うことで医原性の感染が起こる可能性があります。

医原性の感染とはどういうことでしょうか。

医原性の感染とは、簡単にいうと治療を行なったことで、起こる感染です。つまり、治療をしなければ起こらなかった感染です。ここで色々な疑問が生まれると思います。

まず、それならば初めから治療をせずに神経を残せばいいのではないのかという疑問が生まれると思います。

治療をしないでいいのであればもちろん神経の治療はしないのですが、虫歯が大きくて、神経の一部に細菌が感染している時に歯の痛みが出ます。一部に感染している場合でも、神経を抜かなければならないことが多いです。この時に器具の先にばい菌がついていて、根管内が感染してしまうことが非常に多いのです。また、唾液の中には1mlの中に1億から10億のばい菌がいます。その唾液が歯の中に入ってしまうと、根管内で感染が起きます。このように治療を行うと感染が起きるリスクはありますし、治療はしないと痛みが続いて日常生活が辛いものになってしまいます。もちろん感染が起きないように治療を行う方法はあります。それが、ラバーダム 防湿というものです。しかし、日本の歯科医院での普及率は10%以下です。そのため、日本で根っこの治療を受けた方は、ほとんど根管内で感染を起こしてしまっているのが現状です。また、神経の治療を途中でやめてしまった方も、仮の蓋からばい菌が入ってしまい感染していることが多いです。今回コロナウイルスの影響で、治療に行けなかった方も多いと思います。その間に仮蓋から感染してしまった方もたくさんいらっしゃいます。このように、神経の治療を行うと、治療途中で感染してしまう場合や、仮蓋が取れて感染してしまう場合もあります。医原性感染のリスクは、治療を行う上で少なくすることはできますが、0にすることは難しいと思います。

つまり、神経の治療後のリスクとして、根管内で感染が起きてしまっている可能性があり、後々痛みが起きて再治療しなければいけないというリスクが出てきてしまうことが挙げられます。

以上のことをまとめると、

神経の治療をしたらどうなるの?という質問に対してですが

①歯の強度が弱くなり割れてしまう可能性がある。

②歯の痛みが感じにくくなり、状態が悪いことに気づかず、治療する時には手遅れになってしまうことがある。

③根管内で感染が起きやすくなり、神経の治療をしていない歯に比べて、再治療になる可能性が高くなる。

この3つが考えられます。

歯の神経は大事なことがわかりますよね。歯の神経をなるべく残したい場合は、まずは定期検診にしっかり通うことが重要になってきますので、最近検診に行っていないなという方は、まずは検診に行きましょう。

痛みが出てしまっている方は、神経の治療になる可能性がありますので、神経の治療が行える歯医者さんに相談しましょう。

 

根管治療ページはこちら>>

 

福岡市南区 パセオ野間大池歯科

 

福岡県福岡市南区柳河内1丁目2-2

パセオ野間大池