Q.歯がガタガタに生えてきたのですが、何歳頃に矯正をするのがよいですか?
永久歯がガタガタに生えてきた場合、永久歯とあごのアンバランスによって歯の並ぶスペースが不足していることが原因で矯正治療が必要となるケースがほとんどです。大人になってからの矯正治療では、永久歯を抜歯することでスペースを作り、そのスペースを使って歯並びを改善していきます。永久歯が生え揃う12歳頃から治療を進めていきます。一方、子供の頃から矯正治療介入する方法もあります。子供の頃はあごの骨を広げることが可能で、永久歯がきれいに並ぶようにあごのスペースを用意します。6〜7歳頃から治療可能ですが、スペース不足の量によって難易度が変わってくるため永久歯に生え変わり始めたタイミングでご相談ください。
Q.かみしめると、上の歯より下の歯が全面に出てきます。歯医者で治りますか?
上下の前歯が逆に噛み合っていることを下顎前突と言います。下顎前突には下顎が大きすぎる場合と、上顎が小さすぎる場合に分類できます。どちらの場合も子供の頃から治療介入をするのが理想的ですが、上あごの成長のピークは5歳頃なので上あごが小さい場合はこの時期を逃さないよう4〜5歳までには一度歯科医院で診てもらったほうが良いでしょう。下顎前突はその程度によって治療の難易度が大きく変わってきます。また、矯正治療のみで治療を終えられるケースと、外科手術も併用する必要があるケースがあるため早めに受診される方が良いでしょう。
Q.日中に歯ぎしりをよくします。止めた方がよいでしょうか?
歯ぎしりの原因は明確にはなっていませんが、ストレスや歯並び、かみ合わせの不良などによるものだと考えられています。歯ぎしり運動時には上下の歯が当たり、そこに強い力が加わります。歯は噛む力がかかる方向、すなわち下向きの方向には強いのですが、歯ぎしり運動をした際の外向きの力にはとても弱く、歯はかなりのダメージを負ってしまいます。歯はダメージを負ってしまうと、歯が削れてしまったり、歯の根元が欠けてしみやすくなったり、最悪の場合歯が割れてしまいます。また歯に細かい亀裂が入ることで虫歯ができやすくなったり、歯周病の歯に強い力が加わることで急速に歯周病が進行しやすくなることもわかっています。このようなことから日中歯ぎしりをされている場合、ご自覚されたときに歯ぎしりをやめていただくのが良いでしょう(認知行動療法といいます)。ただ日中歯ぎしりや食いしばりがある方のほとんどが、夜間も歯ぎしり・食いしばりを行っています。驚くことに就寝時は日中と比較すると約3倍もの強い力が歯に加わっているそうです。就寝時は無意識のため歯ぎしり・食いしばりをやめることができないので、ナイトガードと呼ばれるマウスピースの作成をおすすめしています。
直接遺伝するわけではありませんが遺伝しやすいものもあります。歯並びは顎と歯の大きさのバランスに、さまざまな習慣の影響を受けます。この中で顎の大きさや形、歯の大きさや形は遺伝しやすく、これらに影響を受けやすい歯並びは遺伝しやすいと言えます。具体的には下あごが上あごよりも前に位置していた場合受け口になり、上あごが通常よりも前に位置していた場合出っ歯になります。また小さな顎に歯が生えてくると並び切ることができずにガタガタな歯並びとなってしまします。また、ご両親の歯並びが良かったとしても悪い習慣があると歯並びは悪化してしまいます。口呼吸や、指しゃぶり、舌の癖、姿勢や食習慣など多くの習慣に影響を受けるのです。このように歯並びは遺伝的な要素と習慣的な要素が組み合わさって決まっていくので、気になる部分がありましたら早めにご相談ください。
Q.永久歯が斜めに生えてきましたが、どのくらい斜めだと歯医者に行くべきですか?
永久歯のうち前歯4本は正面から見てハの字のように斜めに生えてくることが多いです。斜めですきっ歯のように生えてくることでご不安になるご両親も多いですが、後ろの永久歯が生え変わってくるとスペースは自然に閉じて歯もまっすぐになります。しかし顎が小さかったり、歯が大きかったりすると永久歯が斜めに生えてくることがあります。このような場合スペースが足りないことで歯が斜めになってしまっているので矯正治療が必要となることが多いです。また、乳歯が生え変わりの時期を過ぎても残っている場合、それを避けようとした永久歯が斜めに生えてしまうことがあります。この場合は早めに対処することで大きな問題とならないことがあります。斜めに生えてきてご心配であるようならば早めに相談することをおすすめします。
日本人は欧米人と比較してあごが小さい傾向にあり、そのためスペースが不足してガタガタな歯並びとなる事が多いです。このようなスペース不足による歯並びのガタつきに対して、子供の頃からの矯正であごを広げて永久歯が生えるスペースを用意して改善することは可能です。この拡大装置を用いた矯正治療は6〜7歳頃から始めていきます。ただ顎を広げることができる量にも限界があるため、歯のガタつきが重度である場合は将来的に抜歯を行って大人の矯正が必要な場合もあります。ただ大人になってから抜歯矯正をする場合でも、子供の時期に拡大しておくことで矯正治療の難易度自体は下がります。難易度が下がることで、理想的なかみ合わせで仕上げることができたり、治療期間が短くなったりと小児矯正をやる意義は大きいと考えられます。
Q.きれいだった歯並びが、悪くなることはありますか?
患者さんから”昔はきれいな歯並びだったのに、最近歯がガタついて歯並びが悪くなった気がする”という話をよく伺います。実は歯並びは年齢とともに変化していくのです。考えられる原因の1つ目は、歯ぎしり・食いしばりです。歯ぎしり・食いしばりをすると歯に強い力がかかり結果として歯が動いてしまいます。2つ目は親知らずです。生えるスペースがない中で親知らずが生えようとするとき、前歯方向に押す力がかかってしまい前歯にガタつきが出ることがあります。3つ目が歯周病によるものです。歯周病は細菌感染の結果として歯を支える骨が溶かされてしまいます。支えがなくなった状態なので歯は移動しやすく、歯のグラつきがあることもあります。歯が大幅に移動してしまった場合、元の位置に戻すために期間がかかる事が多いです。少しでも気になるようであれば早めにご相談ください。