矯正治療の目的は、歯や顎を本来の正しい位置に戻し、キレイな歯並びと良い噛み合わせを実現することです。噛み合わせが改善されると前歯でしっかりと食べ物を噛み切り、奥歯で噛み砕くことができるため健康な体作りに役立ちます。
また、歯磨きが簡単になるので、むし歯や歯周病のリスクはぐっと低下し、結果的に歯の寿命を延ばすことにもつながるのです。
歯列矯正は見た目の美しさだけではなく、体のバランスを整えるための効果が高い治療法です。
頭部X線規格写真(セファロ)は、顔の骨格を調べることができる矯正歯科用の特別なレントゲンです。
「上下顎の大きさとそのズレ」「顎の形」「歯の傾斜角」「口元のバランス」などがわかります。これは矯正歯科治療を始める際になくてはならない資料です。特に成長期の子どもの場合、成長状態の把握や成長予測にも役立ちます。
また、治療中に想定外の変化が起きたときに、治療前の写真と比較することで原因が特定でき、的確な対処を施すことができます。
歯と歯の間に隙間があったり、隣同士の歯が重なり合っていたりすると、歯ブラシが届かない場所がたくさんできてしまいます。 矯正治療を受けて歯並びが美しくなれば、歯磨きが容易になり磨き残しが減るため、むし歯や歯周病の予防効果が期待できます。
噛み合わせが悪い場合、食べ物を噛む力が弱くなっていまいます。矯正治療で歯並びや噛み合わせを整えると、咀嚼力が格段に向上します。すると、胃液や唾液などの消化液の分泌量が増え、食べ物を消化・吸収しやすくなります。
歯並びにコンプレックスを持っていると、写真に写ることや人前で口を開けて笑うことが苦手になってしまいがちです。
歯並びを美しく整えることで見た目に自信がつき、心の状態にも良い影響を与えるケースは多くあります。
歯並びの乱れが舌の動きに影響を与えたり息がもれたりして、うまく発音ができない方がいらっしゃいます。歯並びを整えれば症状が改善され、滑舌良く話せるようになります。
マウスピース矯正とは、これまでのワイヤーや金具を用いた矯正とは異なり、透明のマウスピースを装着することで、歯の矯正を行うものです。子どもから大人まで使用することができ、様々な歯並びに対応することができます。歯にプラスチックの突起を接着して、その突起をマウスピースが押すことで歯を動かします。マウスピース矯正は、様々な種類のものがありますが、その中でも当院で使用している「インビザライン」は全世界で1200万人以上が使用している最も治療実績のあるマウスピースの装置です。
見た目にも矯正をしているかが分かりにくいです。またワイヤーで行う矯正だと、矯正装置がついていて歯磨きがしにくく虫歯になってしまったということが多いですが、マウスピース矯正は取り外して歯磨きを行うので虫歯になるリスクも低いです。
マウスピース矯正では、予め決められたゴールまで無駄の少ない動きで矯正を行うことが可能です。そのため通常のワイヤー矯正よりも、歯の動く量が少ないので歯への負担が少ないです。また、ワイヤー矯正では1ヶ月分の調整を一回で行います。そのため、治療後しばらく痛みも強いですが、マウスピース矯正では1週間に1回の交換で、力のかかり具合がワイヤー矯正に比べて1/4の力になるので、療時の痛みもワイヤー矯正よりも少なくてすみます。
インビザラインは目立ちにくく、痛みの少ない理想的な矯正方法のように思えますが、対応できる症例は限られます。歯を大きく移動させることが苦手とされており、歯の数が元々少ない方や歯並びのがたつきが強く歯を何本か抜く必要のある方には向いていません。その場合はワイヤー矯正と併用することもあります。また、装着時間が短いと十分な効果が得られません。インビザラインは1日22時間以上、すなわち食事と歯磨き以外は常に装着しなければなりません。装着中に食事ができないだけでなく、飲み物にも制限があります。飲みものはマウスピース内に停滞してしまうため、ジュースは虫歯のリスクを高め、お茶やコーヒーは着色してしまいます。そのため装着時には水や炭酸水しか飲めません。
当院は口腔内3D光学スキャナーを導入しております。光学スキャナーはまだ日本での導入率は低く、今現在では日本での光学スキャナーの導入率は10%以下です。
従来、矯正治療を行うときは流動性のある印象材をお口の中に直接お口の中にいれて型どりを行う必要がありました。冷たい流動性のある材料を固まるまで待つ必要があるため、嘔吐反射がある患者さんやお子さまには負担がかかる方法でした。
口腔内3D光学スキャナー「iTero」はペンタイプの装置をお口の中にいれて歯型をスキャンしていきます。従来の粘土のような材料を用いての型どりに比べると、簡単かつスピーディーにスキャンができるので負担なく型取りを行うことが可能です。
また、撮影したデータはすぐ技工所へ送られますので、矯正用マウスピースが出来上がるまでの時間も圧倒的に早くなりました。
また、最大のメリットはスキャンしたその日にシミュレーションソフトを用いて、矯正後、どのような歯並びになるか治療の最終イメージを見て頂くことができます。このような方法は従来の方法では全くできなかったことです。そのイメージが違った場合、修正をしてご希望に近い形に仕上げることもできます。最終的な仕上がりが見えるので安心感を持って治療ができます。
まず、カウンセリングシートに記入していただき、気になっている箇所やどのような仕上がりにしたいか、どのような治療方法を希望されるかなどをお伺いします。
問診に基づいて、おおよその矯正にかかる費用や治療期間、治療方法、開始時期などを説明いたします。
矯正用のレントゲンやCT、顔貌写真、噛み合わせ、顎関節などの検査や資料を撮らせていただきます。
3D光学スキャナーで歯の型をスキャンして、パソコン上でシュミレーションを行います。
精密検査に基づいて、どのような矯正治療が可能か説明を行います。
いくつかのパターンから選んでいただくことがほとんどですが、それぞれメリットやデメリットがありますので、それぞれの説明を詳しくしていきます。
選択された治療法に基づいて、装置の製作や発注を行います。
インビザラインの場合は、ほとんどのケースでアタッチメントという白色のプラスチック製の小さな突起を歯の表面につけていく処置が必要になります。
このアタッチメント設置後に出来上がってきたマウスピースをおよそ1週間ごとに交換していきます。
4~6週間に一度マウスピースの適合や歯の動きに問題がないか確認を行います。
シミュレーションから歯の動きにずれがあった場合やマウスピースの適合に問題がある場合は、歯並びをもう一度スキャンさせていただき、修正を行う場合もあります。
歯を動かし終わってからは、その歯のポジションを維持するために、歯の保定を行います。
この処置が不十分だと歯の後戻りが起こってしまいます。期間は歯を動かすのにかかった期間と同程度の期間が必要になります。この装置もマウスピース型の装置を使います。
歯の矯正は子どもがするものと考えられがちですが、大人にとっても歯並びは大切です。歯並びは見た目の印象を大きく左右しますし、口元を美しくしたいという思いをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
歯並びをキレイに整えるメリットは、見た目を美しくするだけではありません。
正しい噛み合わせは、歯や体の健康維持に大きく貢献してくれます。『むし歯や歯周病を予防できる』『食べ物の消化を良くする』『発音がしやすくなる』『肩こりなどの症状が和らぐ』など様々な効果が期待できます。
矯正治療で歯並びや噛み合わせを改善し、歯と体の健康を守りましょう。
インビザライン
インビザラインは、「目立ちやすい」「汚れが付着しやすい」など従来のワイヤー矯正のデメリットを解消した矯正装置になっています。透明な装置なので、装着しても外から気づかれる心配がありません。取り外しも簡単なことから、食事や歯磨きも普段どおり行えます。このようなメリットから、世界中で多くの方にご利用いただいています。
マルチブラケット装置矯正(メタル)
歯を固定してワイヤーを通すための装置です。スクリューと並行して使う場合もあります。金属製のワイヤー、ブラケットは症例数が多いので安心感がありますが、歯の色との違和感を覚える可能性もあります。
マルチブラケット装置矯正(ホワイトブラケット)
歯の表側にセラミック製や透明なプラスチック製のホワイトブラケットを装着し、さらに白いワイヤー(ホワイトワイヤー)を用いることで、目立ちにくい矯正装置となります。
歯の色になじむナチュラルな白さのホワイトブラケットは、歯と調和し自然な口元を作り出します。この審美性に対し、費用を抑えて治療できるためコストパフォーマンスが良いです。
部分矯正
歯の一部分だけに歯並びの問題がある場合行うのが部分矯正です。全体のかみ合わせを変えることなく気になる箇所だけ治療を行います。
使用する装置は症例によって変わりますが、ブラケット矯正、マウスピース矯正、インプラントを使用する方法などから選択します。
※当院の料金は、すべて税込価格です。
お子さんの成長段階に合わせて行う矯正治療
お子さんの矯正治療を開始する時期については、一人ひとりお口の中の状態が異なるため、『何歳から』といったはっきりとした基準はありません。ただ、幼児期からあごが成長していく様子を定期的に観察してくことが理想です。そうすれば、最も適切なタイミングを逃さずに治療を開始することが可能になるためです。
一般的には上下の前歯が生え変わる7~8歳の時期にご相談にみえるケースが多いようです。ただし、受け口などの治療は永久歯が生える前に改善した方が、後々の治療が楽になります。症状により治療開始の最適なタイミングは異なりますので、気になることがある場合はお早めにご相談ください。
一般的には上の前歯が永久歯に生え変わった頃から(7~8歳から)ですが、受け口など早めの治療が必要な場合は幼児期(4~5歳)から行う場合もあります。早い時期から始めたほうが費用が安くなる可能性もあるので、6歳前後になったら、一度診させていただいた方が安心かと思います。
できます。ただ歯を並べるスペースが足りない場合、健康な歯を抜いてスペースを作らないといけません。また、歯周病の治療を行いながら矯正治療が必要な場合もございます。子供のうちから矯正をすることで歯を抜かないで済む可能性があります。
治療期間は人それぞれですが、歯を動かす期間が概ね2年半、その後歯が後戻りしないように観察する期間が2年半ほどになることが多いです。
目立ちにくいマウスピース矯正も行っております。ワイヤーが目立つのが嫌な方にはこちらをおすすめしております。
歯を移動させるので痛みは伴います。個人差がございますが、ワイヤー矯正は動かし始めは痛みがございます。マウスピース矯正のほうが痛みが少ないと言われています。
歯並びは歯の大きさと顎の大きさとの調和になるので、永久歯を抜く場合もあります。症例によるのですが、歯を一層磨いてスペースを作り出すことで歯を抜かなくて済む場合があります。診断を行いますので、一度ご相談ください。
矯正治療中は歯磨きしにくいことが多く、矯正治療が終了したら虫歯が見つかったということも多いので、しっかり歯磨きをしましょう。また、矯正の装置によっては、食べ物も硬いものや装置に挟まりやすいものに気をつけないといけません。
また、きれいに並んだとしても、そのままにしておくと後戻りしてしまいます。矯正治療後は後戻りしないように装置やワイヤーを約2年間つけることがおすすめです。
不正咬合の種類/歯科矯正治療の種類/1期治療(顎内装置・顎外装置・小児用マスピース矯正装置「プレオルソ」)
『歯ならびの悩み②~永久歯がはえそろってから始める成人矯正~』
マウスピース矯正治療「インビザライン」/インビザラインのメリットとデメリット/ワイヤーを用いたマルチブラケット装置矯正治療/マルチブラケット装置矯正治療のメリット・デメリット/リンガルブラケット装置による矯正治療/リンガルブラケット装置のメリット・デメリット