歯医者さんの麻酔は大人と子どもで違いはある?
2020.12.18
歯医者が怖いと思われる方は多いと思いますが、その1つの理由として”麻酔”があると思います。はじめていらっしゃった患者さんからも”歯医者さんのチクッとする麻酔が嫌い!”という話をよく耳にします。とくにお子さんは歯医者が苦手なかたがほとんどで痛みに敏感です。しかし、歯科の処置においては麻酔は必要不可欠です。そのため当院ではなるべく痛くなく麻酔する工夫をしております。
今回は歯科の麻酔について知っていただき、行っている工夫と小児治療について説明していきます。
歯医者さんの麻酔
歯医者さんの麻酔は、局所麻酔(きょくしょますい)といって麻酔薬を作用させたい部分にだけ注入して一時的に感覚を消失させます。麻酔の量も全身麻酔と比較するとごく微量です。
麻酔のときの痛み
麻酔の際の痛みのポイントは2つあります。
①針が刺さるときの痛み
②薬液を注入するときの痛み
麻酔の痛みを軽減するためにはこの2つの痛みのポイントへの対応が肝心です。
針が刺さる痛みを軽減
表面麻酔(ひょうめんますい)
針を刺すときのチクっとした痛みを軽減させるために、”表面麻酔”というものを使用します。表面麻酔はゲル状もしくはフィルム状の麻酔薬を歯茎に塗り、歯茎表面の感覚を鈍らせるものです。当院では麻酔をする前に必ず使用させていただきます。
超極細の麻酔針
以前と比べると歯医者の麻酔に使われる針は細くなりました。針が細くなると歯茎の表面の痛覚を避けてくれるので、痛みを感じにくくなります。
薬液を注入するときの痛みを軽減
電動麻酔器
麻酔の薬液を注入するとき、強く圧力がかかったり注入速度が速くなると患者さんは痛みを感じることになってしまいます。特に超極細の注射針を使うので、その分薬液を注入するために圧力が必要になります。当院ではこの痛みを感じにくくするために、電動の麻酔器を用いています。電動の麻酔器は注入速度と圧力を自動的に変化させて、痛みを抑えることができます。
お口の中は髪の毛1本でも感じ取れるくらい敏感です。麻酔をするときから痛みを軽減することで、リラックスした状態で治療を受けることができます。
歯科麻酔の副作用
動悸
麻酔をすると、急にドキドキしてきた経験がある方もいらっしゃると思います。これは、麻酔薬に含まれるアドレナリンの働きによるものです。麻酔の主な成分はリドカインというものなのですが、そのリドカインを長く作用させるためにアドレナリンが入っているのです。このアドレナリンは血管収縮作用があり血圧を上昇させるため動悸を感じる方がいらっしゃるのです。高血圧や心臓病がある方は注意が必要なので、事前に申し出ていただくようお願いいたします。 また、動悸がするのが苦手な方もお伝えいただければ、アドレナリンが入っていない麻酔薬に変更いたします。
その他
めまい、吐き気、頭痛、頻脈、蕁麻疹等があります。
ただ、全てが麻酔の副作用だけということはありません。歯科治療への不安や緊張がある上に麻酔をしたことで動悸や脈拍が高くなったり低くなったりすることがあるのです。こういった場合は、しばらく横になっていると回復してくることがあります。
小児の麻酔
大人の方と同様に、虫歯の治療や歯を抜く時に麻酔を使用します。乳歯のなかにも神経はあり、虫歯を削るときには痛みも感じます。また、なかなか抜けない乳歯や生え変わりが上手くいかない乳歯は、今後の歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼすため抜くことがあります。麻酔を使用することで、痛みを感じないようにして精神的、肉体的ストレスと負担を軽減します。
子供の麻酔に使われている麻酔と大人に使う麻酔は実は同じものです。特に心配が必要なものではありませんが、アレルギーや持病、服用しているお薬があれば事前にお伝え下さい。 お子さんの中には麻酔がはじめての方もいらっしゃいます。その場合ごく稀にアレルギーが起こる場合があるため、かなりゆっくり薬液を注入していきます。
当院での小児の治療
親御さんにとって、お子さんが嫌がる中で無理やり治療されるのを見ることは心が痛むことだと思います。また、お子さんにとっても押さえつけられて治療をされると、”歯医者は怖いところ”だとトラウマが生まれてしまいます。一度歯医者が怖いところだと認識してしまうと、それ以降の必要な歯科治療ができなくなってしまいます。”子供の頃の歯医者での治療がトラウマで、痛くなっても歯医者に行かず我慢をしていた。”という大人の患者さんも少なくありません。
当院では無理やり押さえつける治療はしません。まずはお子さんに歯医者という環境に慣れてもらい、歯科治療ができるまで一緒に練習をしていきます。はじめて来院されたときは大泣きで診療室にも入れないというお子さんも、今では上手に治療ができて笑顔で帰っていきます。練習で回数がかかることもあり、ご負担をおかけしますがお子さんのことを最優先に考えてこのスタイルで診療しています。
麻酔後の注意事項
痺れがなくなってからお食事を
個人差はありますが、麻酔をしたあと2〜3時間しびれています。食べ物を噛んでいるのか唇や頬っぺたを噛んでいるのかわからず、気がついたらお口の中に傷が出来ていたり出血していたりします。また、温度感覚も一時的に麻痺するので、熱いものを食べるときやけどをしても気が付きません。麻酔が切れてからお食事をされるのが安心かと思います。
むやみに触らない
痺れて感覚がないことは子供にとって興味をそそられることです。何度もさわっていたりすると気がつかないうちに引っ掻いたり、キズが出来ていたりしますので注意してみてあげてください。
親御さんにとってお子さんに対する歯科治療は不安なことが多いと思います。小さなことでも気になることがありましたらお気軽にご相談ください。
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