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根管治療

MTAセメントを用いた根管充填について

2021.04.06

根管治療

 精密根管治療は、「状態が悪い歯を何とか抜歯せずに自分の歯を残したい。」「これまでの根管治療では難しいケースの根管治療をしたい。」「保険外の被せ物を入れるために、しっかりとした根管治療をして長持ちさせたい。」 などご自身の歯を残す事を第一にお考えの方にお勧めしています。

 精密根管治療については以前のブログでご紹介しましたが、今回は精密根管治療の最後の段階である根管充填(こんかんじゅうてん)でもちいる”MTAセメント”という材料について説明していこうと思います。

 

MTAセメントとは?

 MTAセメントとは、Mineral (ミネラル )Trioxide (三酸化物)Aggregate(集合体)の頭文字をとったもので、もともと工業用のセメントでした。主にケイ酸三カルシウムやケイ酸二カルシウムなどのケイ酸塩を主成分として、酸化ビスマスなどを添加した歯科用の水硬性セメントです。MTAセメントは強い殺菌効果があり、お口の中のように水分が多い環境でもしっかり固まるといった特徴を持っています。

 

MTAセメントを用いた根管充填

 根管治療で根っこの中の洗浄が終わり、根っこの中にお薬を詰めていくことを根管充填(こんかんじゅうてん)といいます。お掃除が完了したままお薬を入れずに置いておくと、そのスペースで細菌が繁殖してしまいます。このスペースを埋めて細菌の繁殖を防ぐために根管充填をしていきます。

 一般的な保険内の根管充填では、”ガッタパーチャ”という天然ゴムを原料とした材料が最も多く使用されています。 このガッタパーチャには特に効果があるわけでなく、単にスペースを埋めるものという意味合いが強いです。生体適合性もないため、根っこの中から出てしまうと体は異物と判断してしまいます。そのため、歯の根の中に穴があいてる場合や、根の先の破壊などが見られる場合はガッタパーチャでの封鎖ができず、歯を残すことができませんでした。

 しかしMTAセメントの登場によりこれまで残せなかった歯も、残せる可能性が高くなりました。MTAセメントの効果について説明していきます。

MTAセメントの効果

・封鎖性に優れている

 根管充填の材料によって最も重要なのが、封鎖性が高いということです。根管治療を行った歯には通常被せものを作っていきますが、被せものと歯の隙間をぬって細菌たちは歯の内部に入ろうとしてきます。この細菌たちの侵入を防ぐために封鎖性が高い材料を用いることが重要なのです。

 ガッタパーチャポイントの場合、単体では歯質にくっつかないため”シーラー”という接着剤を使用する必要があります。しかしこのシーラーは固まると収縮してしまうため、歯との間に隙間ができてしまいます。

 一方、従来のガッタパーチャポイントに比べて、MTAセメントはとても封鎖性に優れています。MTAセメントは固まる時に膨張する性質があり、歯との隙間が限りなく無くなりしっかりと封鎖することができます。

 

・細菌作用が高い

 MTAセメントはアルカリ性が強く、細菌を殺菌する効果が高いのも特徴です。 MTAセメントは強アルカリ性(pH12.5)の材料であり、アルカリ性の環境下では細菌は繁殖できないことがわかっています。 根管充填を行う際は、根管内をなるべく無菌化にしますが、お口の中での完璧な無菌化はほぼ不可能で、どうしても細菌が僅かに残ってしまいます。しかし、その残ってしまった細菌もMTAセメントによる強い殺菌作用によって繁殖しにくくなるのです。ガッタパーチャポイントには殺菌作用はないため、MTAセメントの方がより再感染を防ぐことができます。

 

・硬化すると固くなる

 ガッタパーチャポイントは樹脂で出来ているため柔らかいですが、MTAセメントは硬化すると固くなるため、強度が高くなります。

 

・生体適合性が良い

 従来のガッタパーチャポイントはひとたび根っこの外に出てしまうと、体は異物と判断して炎症が起こってしまいます。しかしMTAセメントは生体適合性が高く、炎症を起こすことなく良好な治癒を促します。また、MTAセメントと接した部分は歯に似た硬組織を誘導することもわかっています。そのため今までは困難であった、歯に穴が空いてしまった症例(パーフォレーション)や根っこの先が破壊された症例も歯を残せる可能性が高くなりました。

 

・親水性が高い

 歯の内部の象牙質には水分が多く含まれており、この水分によって従来のシーラーは劣化して封鎖性が落ちてしまっていました。しかしMTAセメントは親水性が高く、完全に硬化するために水分が必要なので封鎖性が落ちにくくなっています。

 また、歯に穴が空いていたり根っこの先が破壊されていた場合、材料は組織と直接接することになります。組織には組織液などの水分がかなり多く含まれているためMTAセメントでないと封鎖することができません。

 

最後に

 当院では、可能な限りご自身の歯を残すことを大切に考えています。抜歯をしてしまうと治療で補うことはできますが、ご自身の歯に越した事はありません。抜歯と言われて諦めていませんか? 他院で抜歯と言われた歯でもなんとか残せる可能性があります。お気軽にご相談ください。

 

 

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パセオ野間大池