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矯正歯科

痛くて食べられない!矯正中に食べやすいものは?

2020.11.07

矯正歯科

「歯が痛くて、ごはんが食べられない。一体、何を食べたらいいの? 」歯列矯正中の患者さんの大きな悩みではないでしょうか。今回は痛みの原因と対処法、そして歯が痛くて食べることができないとき何を食べたらいいかを説明していきます。

歯列矯正の歯の痛みは、ほとんどが歯を動かしている時に生じます。

 

なぜ歯列矯正は痛いのか

例えば歯を後ろに動かすと仮定します。歯には、歯と歯を支える歯槽骨という骨の間に歯根膜という繊維状のものがあります。後ろ側に力がかかると後ろ側の歯根膜は押しつぶされますが、元の長さに戻ろうとします。歯根膜が元に戻ろうとシグナルを出すとその分だけ歯槽骨を溶かしスペースを作るのです。

一方、歯の前側は引っ張られて歯根膜が伸びてしまいます。伸びた歯根膜も同様に元の長さに戻ろうとします。そうすると歯槽骨は出来てしまったスペースを埋めようと骨を作り出します。

このように骨を作ったり溶かしたりしながら歯は動いていくのですが、その際に痛みが生じます。

 

痛みのピークは?

歯を動かすことで生じる痛みのピークは2~3日間です。その後徐々に痛みは減り、1週間程度で落ち着いてきます。

 

痛み止めは何を飲んだらいいの?

歯が移動しているとき歯の周辺では”炎症”が起きている状態となります。痛み止めの中には強い抗炎症作用を有しているものがあり、これを飲むことで歯の動きが悪くなることがあるため注意が必要です。これらはNSAIDsと呼ばれる非ステロイド性消炎鎮痛薬であり、具体的にはロキソニンやイブプロフェン、ボルタレンなどがあります。そのため矯正中の歯の痛みに対しては、抗炎症作用のほとんどないカロナールなどを飲むと良いでしょう。カロナールが効かないようであれば、ロキソニンなどのNSAIDsを服用してください。

 

矯正の方法が違うと痛みの程度は変わるの?

成人矯正の場合、矯正の方法には大きく分けて2種類あります。ワイヤーとブラケットを用いた矯正とマウスピースによる矯正です。ワイヤー矯正の場合、1ヶ月に1度の来院時にワイヤーを締めたり、交換を行います。このときすべての歯に対して一気に力がかかってくるので、直後から痛みが出てきます。また、1ヶ月で歯を動かしたい分の力をかけるため、痛みとしては大きいものとなります。このように最初に強く痛みますが、徐々に痛みはおさまってきます。

一方マウスピース矯正の場合、マウスピースの交換は1週間に1回程度で患者様ご自身で行います。来院は1〜3ヶ月に1度が目安です。マウスピース矯正の場合も同様に、マウスピースの交換をした直後は痛みがあります。しかし歯を一気に動かすのではなく部分的に動かしていくため、痛みも部分的なものとなります。また、1週間で歯を動かしたい分しか力がかからないため、痛みはワイヤー矯正と比べると小さいものとなります。

1ヶ月の歯を動かす移動量が同じ場合、マウスピース矯正は4回に分けて力を加えるため、ワイヤー矯正と比べて痛みが4分の1になってきます。

 

オススメの食べ物

痛みがある時は、普通に炊いたごはん粒でも痛くて噛めない事があります。柔らかいものを食べることをおすすめします。

・お粥

痛みに合わせて5倍粥、7倍粥と調節すると良いでしょう。

・リゾット

野菜と一緒にクタクタに煮込んでしまえば野菜の栄養も取れますし、調味料やスープを変えれば味の変化も楽しめます。

・煮込みうどん

痛みがある時はうどんでさえかたく感じます。噛みきるものツラい時があるので、食べやすい大きさにカットしておくと良いでしょう。

・茶碗蒸し

蒸し器を使って作らなくても、今は温めるだけで食べられるものがあります。卵を使っているので、タンパク質も摂ることができます。

・オムレツ、スクランブルエッグ

茶碗蒸しと同様にタンパク質も摂ることができ、舌でつぶす事ができるため胃の負担を軽くすることができます。

・蒸しパン

フワフワの蒸しパンであれば、口の中でホロホロと崩れるので食べやすいです。

・豆腐

高タンパク質で何よりも柔らかいです。 ニンジンなど一緒に湯豆腐にすれば野菜もとれて栄養バランスも良くなります。

・ポトフ

じゃがいも、ニンジン、玉ねぎ、大根、カブ、ブロッコリーなどを一口大にカットした鶏肉と一緒にスープで煮込めば、舌でつぶすことができる位の柔らかさになり食べやすいです。

・ポテトサラダ

コンビニなどでも手に入るポテトサラダは噛まずに食べることが出来ます。手作りの時は、キュウリは細かく刻んであげると食べやすいでしょう。ツナも入れることでタンパク質を補うことが出来ます。

・にゅうめん

うどんでさえ噛みきったり、すりつぶしたり出来ない時は少し柔らかくゆがいたにゅうめんがオススメです。ただし、ワイヤーに引っ掛かってしまう事があるので、その時は歯ブラシで優しく取り除いてください。

ポイント

・細かく刻んでおく

噛みきることが難しいのであれば、はじめから細かく刻んだり小さく一口大にカットしておくと、とても食べやすくなります。

・柔らかく煮ておく

奥歯ですり潰すことが難しいのであれば、舌でつぶせる位の柔らかさまでゆがいたり煮込んでしまえば痛みを感じることが少ないでしょう。

・すりおろす

ニンジン、玉ねぎや大根、高野豆腐などすりおろしてリゾットに混ぜることで片寄りがちな栄養素を補うことが出来ます。リンゴもすりおろせば食べることが出来ます。

矯正治療中に気を付けたい食べ物

・ガムやキャラメル

ガムやキャラメル、ソフトキャンディなどは粘着性が高くブラケットやワイヤーの下に入り込んで取れなくなってしまいます。くっついたキャラメル等を無理に取ろうとすると、ワイヤーとブラケットをくくりつけている細い針金が飛び出して頬や唇を傷つけてしまいます。また、キャラメルやソフトキャンディは糖分が多いので、挟まったまま放置すると虫歯になってしまう原因になります。

・お煎餅などのかたい食べ物

かたい食べ物を噛む時に矯正装置に力がかかると、装置が外れてしまったり変形する可能性があります。装置の脱離や破損が原因で治療が遅れてしまったり、装置が頬や舌に当たって傷を作ってしまうことがありますので注意してください。

まとめ

痛みが強い時は、食欲が低下してしまうことが多いと思います。しかし「食べない」のではなく「食べられる物を食べる」ことが大切です。治療が進むにつれて、痛みの程度も落ち着いてきたり慣れてきます。矯正治療の痛みとうまく付き合っていきましょう。

 

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