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たばこと口の中の関係とは?

2019.12.10

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喫煙と歯周病の関係とは

 喫煙が口の中に与える影響をご存知ですか?実は喫煙と歯周病は大きく関係しており、1日10本以上喫煙すると、非喫煙者に比べて歯周病へのリスクが5倍以上高くなるというデータがあります。さらに歯周病治療をしても効果がでにくいことが分かっています。

喫煙がもたらす口腔内への影響

たばこに含まれるタール・ニコチン・一酸化炭素などの有害物質が大きく関係しています。これらの成分について1つずつ見ていきましょう。

①タール

 タールには多くの発ガン物質が含まれています。タールが口腔内の粘膜に付着すると、唾液の分泌が減少し、歯面にプラークやヤニがつき、汚れを落としにくくなります。色素沈着、口臭、口腔ガンのリスクが高くなります。また抗炎症作用があり、歯周病によって歯茎が腫れてもタールによって抑えられ、症状がでにくくなります。この効果で歯周病の発見が遅くなります。

②ニコチン

 ニコチンには血管を収縮する作用があり、そのため血液の流れが悪くなったり、老廃物を取り除きにくくなります。また、血管収縮することで歯茎が炎症を起こしても症状が出にくくなりますので、歯周病になっても気付きにくいのです。症状が出てきた頃には、かなり歯周病が進行しているという傾向にあります。さらに、傷を治してくれる細胞である線維芽細胞を妨害するので、傷も治りにくくなります。

③一酸化炭素

 一酸化炭素は火事が起こった際の死因になることが多い物質です。これは一酸化炭素が組織に酸素を運搬するのを妨げます。そのため一酸化炭素を吸い込むと歯周ポケットに酸素が運ばれにくくなり歯茎が酸欠状態になります。嫌気性(酸素を嫌う菌)である歯周病菌が歯周ポケット内で繁殖し、歯周組織を破壊していき、歯周病をさらに進行させてしまいます。また歯茎が酸欠状態になり、免疫力が低下することで、歯周病菌が感染しやすくなります。

 

喫煙と創傷治癒遅延

 外科処置などをした後、喫煙をすると感染しやすくなり化膿する危険があります。 これはニコチンによって、毛細血管の血流が低下しすることで、組織への栄養や酸素供給が減るため、細胞が栄養不足、酸欠状態になります。また線維芽細胞という傷を治すのに必要な細胞もニコチンによって機能が障害されるのでコラーゲンが不足し、傷が治りにくいのです。

※もし今後抜歯や歯周外科手術やインプラントオペなどが決まっている場合は、禁煙をした方が成功率が高くなり、トラブルも少なくなります。手術後も治癒期間は禁煙をしましょう。

 

受動喫煙

 喫煙をしている本人だけでなく、周りにも悪影響を及ぼします。受動喫煙は小児や胎児への気管支喘息や発育異常などの全身への影響が挙げられていますが、口腔内にも影響を及ぼしています。受動喫煙によって歯周病、小児のう蝕、メラニン色素沈着(歯茎が黒く変色する)のリスクが高くなります。親が喫煙している子どもは、歯周病や虫歯になるリスクが約2倍になると言われています。子どもの前での喫煙は避けて、受動喫煙を防ぎましょう。

 

加熱式たばこ

 最近では、IQOSやgloなどの加熱式たばこを使用している方も増えてきています。患者さんに「加熱式たばこだから禁煙しなくてもいいですか?」と良く聞かれます。加熱式たばこはタールや一酸化炭素の量がカットされていますので、その点はいいと思います。しかし、ニコチンの量はほぼ変わっていないとされています。さらにホルムアルデヒド、ポロニウムなどの有害な成分の量も変わりません。アセナフテンに関してはおよそ3倍になっているとされています。また、新型たばこの煙は見えにくいので、呼出煙があまり出ていないように見えますが、見えない煙(エアロゾル)が呼気中に出ていることがわかっています。このエアロゾルの中には、ニッケルやクロムなどの有害物質が含まれており、その量は従来のたばこよりも多いです。このエアロゾルが人間の健康にどのような影響をもたらすかが分かるのはまだまだ先のことのようですが、確実に言えることは、ニコチンの量に関しては変わっていないということです。つまりニコチンによって口腔内の毛細血管が細くなり血流が落ちるので、免疫細胞が働きにくくなり、歯周病になりやすく、線維芽細胞を障害し、傷を治りにくくするのは、従来のたばこと同じということです。そのため、加熱式たばこであっても歯周病の方や外科処置の前後の期間は禁煙した方が治療の成功率は高まります。

 

最後に、たばこをやめるのは個人差がありますが多くの人にとってはなかなか難しいことだと思います。しかし、歯周病が進行して歯がグラグラになってくると、そこからしっかり噛めるようにするのは非常に大変です。歯周組織が回復せずに抜歯になり、入れ歯になる方も少なくありません。インプラントという選択もありますが、インプラントは歯周病に弱く、喫煙されている方の場合インプラントの成功率は下がり、脱落のリスクも上がります。歯がなくなると、色々と不都合なことが起きます。喫煙されている方は、一度口の中のチェックをしてもらいましょう。