インフルエンザ予防に口腔ケアが有効?!
2019.12.02
みなさんこんにちは、肌寒い季節になってきましたね。この時期インフルエンザが気になる方も多いと思います。インフルエンザの予防接種は受けているかもしれませんが、ワクチンだけ接種していてもインフルエンザにかかることはあります。流行するインフルエンザウイルスはまずA型、B型などがあります。それをどれが流行するか予測してワクチンが作られますが、インフルエンザのウイルスはすぐに形を変えてしまいます。また効きが悪くなるのは接種したワクチンと感染したインフルエンザウイルスの形が違うことや耐性などが原因と考えられています。手洗いやうがいも予防に効果的とされていますが、他にも最近注目されているのが、口腔ケアです。
口腔ケアとインフルエンザの関連
口腔ケアがインフルエンザ予防に効くという調査結果が明らかになっています。これは、高齢者に対して、インフルエンザの流行する期間の6ヶ月の間に歯科医師や歯科衛生士に口腔ケアをしてもらったグループと普段と同じように高齢者ご自身や介護者で口腔ケア行ったグループに分けて行なった調査で明らかになりました。この結果、専門的な口腔ケアを行なったグループの方が、インフルエンザの発症率が1/10になるということが明らかになり、医療の現場でも口腔ケアの重要性が高まってきています。なぜ、インフルエンザの発症率は下がったのでしょうか。
インフルエンザの感染はどのようにして起こるのか?
インフルエンザは、インフルエンザウイルスが気道の粘膜上皮細胞に侵入することで感染し発症します。ただし、これにはいくつか条件があります。まず、1つ目は、インフルエンザウイルスが気道の上皮細胞に入っていくためにはHA(ヘマグルチニン)というものが活性化された状態で、気道粘膜の上皮細胞にくっつくことで初めて侵入して感染することができます。まず通常だとこのHAは不活性状態ですが、気道粘膜の上皮細胞の中に含まれるプロテアーゼと言われる物質を受け取ることで活性化します。このプロテアーゼと言われる物質は、口腔内に存在しているばい菌からも産生されていますので、口腔内のばい菌が増えると当然プロテアーゼの量も増えてしまい、HAの活性化が進むことになり、インフルエンザウイルスがどんどん感染してしまうことになります。さらにウイルスは細胞の中に侵入すると、増殖をしようとしますが、その増殖にはNA(ノイラミニダーゼ)と言われる物質も必要になります。このNAもまた口腔内にいるばい菌が産生していることがわかっています。つまり、口腔内にいるばい菌が増えれば増えるほど、HAとNAも増えるのでインフルエンザウイルスの感染が起こりやすい状況になります。
調査結果では、まず口の中全体のばい菌の数は口腔ケアを行なったグループの方が少なかったとされています。これによって、プロテアーゼの産生も少なくなりますので、活性したHAが少なくなります。同様にNAの数も少なくなります。そのためHAとNAの作用は口腔ケアを行なったグループの方が弱くなっていたとされていますので、口腔ケアはインフルエンザに効果が高いことがわかります。
口腔ケアは肺炎の予防にも繋がる
また、口腔ケアは誤嚥性肺炎を減らすこともわかっています。誤嚥性肺炎って何?と思われる方もいらっしゃると思います。誤嚥性肺炎とは口の中の肺炎球菌と言われるばい菌が肺に入ってしまうことで発症します。肺には、唾液や飲食物が入り込まないように、蓋がついていますがこの蓋の機能が高齢者になると低下します。さらに咳反射の低下も相まって、気づかないうちに唾液や飲食物が入ってしまいます、口腔ない環境の良くない方の場合、気づかないうちに肺炎になっていることもあります。今日本人の死因の現在5位になっている肺炎ですが、数年前は3位にまで上がりました。こういった状況を受けて、口腔ケアを実施する病院が増えたことで、3位から5位まで下がったのです。肺炎の中でも、肺炎で亡くなる高齢者の7、8割は誤嚥性肺炎と言われています。口腔ケアを行うとこの肺炎球菌の数も減らすことができるので、誤嚥性肺炎のリスクが格段に下がります。
口腔ケアをしっかり行うことで、インフルエンザや肺炎から体を守ることができますので、歯科医院でケアをしてもらいましょう。
パセオ野間大池歯科では、お子様から高齢者の方まで徹底的な口腔ケアを行なっております。平日は9:00から20:00まで、土日祝は9:00から18:00まで診療を行なっておりますので、お困りの際はお気軽にご連絡ください。
口腔ケアをご希望の方は、当院の『予防治療』ページをご覧ください。
福岡市南区 パセオ野間大池歯科
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