歯がぐらぐら、これって歯槽膿漏?!
2019.11.26
歯周病の予防
歯周病になってしまった場合の全身へのリスク
それでも歯周病になってしまった場合ですが、前述した通り歯を失うリスクがでてきます。しかしそれだけではありません。歯周病は全身の病気と深く関わっているのです。例えば最近注目されているのは、糖尿病と歯周病の関連性です。今や糖尿病は予備軍と合わせると日本人の24.2%(2016年 国民健康・栄養調査より)つまり日本人の4人に一人が罹患しているとされており、国民病と言われています。糖尿病になると、ばい菌に対する抵抗性が低くなり、感染しやすかったり、重症化しやすいです。また、傷口も治りにくくなります。口が乾きやすいのも、糖尿病の特徴なのですが、口が乾くと口腔内のばい菌も増えやすくなります。歯周病は、歯周病菌が感染しておこる感染症なので、糖尿病の方は症状が進行しやすいです。そして、歯周病は歯茎の中に傷ができているような状態なので、糖尿病の方は歯周病が治りにくいです。そして、反対に歯周病の方は、糖尿病を重症化させやすく、血糖コントロールに悪影響を与えやすいと言われています。また、その他にも心筋梗塞や脳梗塞にもなりやすくなります。これは、歯周病菌が動脈硬化を引き起こしやすくすると言われていますので、血管が細くなりやすいです。さらに歯周病のばい菌の影響で血管の中で血栓もできやすくなるため、血管が詰まりやすくなるので、歯周病の人はそうでない人に比べて、約3倍脳梗塞になりやすいと言われています。
歯周病の治療
歯周病の治療は、まずは歯の周りについている汚れの徹底的な除去(クリーニング)です。なんだ簡単だなと思う方がいると思いますが、そんなことはありません。歯はそもそもがかなり複雑な形をしていますが歯周病の進行した方の場合、さらにはの周りの骨が溶かされているので、舗装されていない凸凹な道になっています。その凸凹の間に汚れが詰まっているのです。さらに古い銀歯などの被せ物や詰め物の周りにも、汚れがこびりついているので、そのままクリーニングするのは散らかった部屋の雑巾がけをするようなものです。部屋は片付けてからお掃除する方が綺麗になりますよね?なので、汚れが取りにくいところは詰め物や被せ物を取り除いてからクリーニングする場合もあります。何度も時間をかけて、綺麗にしていきますが、その間もご飯は食べないといけないので、また汚れが溜まってしまいます。せっかく掃除した部分が汚れてしまっては、また歯周病が悪化するのでお家でのケアも非常に大事になってきます。しかし、お家での歯磨きにも限界があります、凸凹になった骨の面を綺麗に舗装してあげなければ、また小さな汚れが溜まります。この骨の面を舗装する方法の1つが再生療法です。凹んでいる部分に再生材料によって骨を作り出します。そうすると凸凹な面がフラットになりますよね。当院では、まずは再生療法を第一選択と考えます。しかし、再生療法ができない場合もあります。その場合は、盛り上がっている部分を削ってなだらかにする、切除療法を行います。骨は減ってしまいますが、この方法でもフラットな面にできます。通常の治療では、再生療法を行いながら、切除療法を組み合わせることが多いです。歯周病治療の目標としては、汚れを取ることだけではなく、汚れが溜まりにく状態にすることが大事なのです。さらに定期的なクリーニングを受けることも忘れずに。
福岡市南区 パセオ野間大池歯科
福岡県福岡市南区柳河内1丁目2-2
パセオ野間大池