入れ歯に”カビ”!?義歯性口内炎と入れ歯の洗浄方法
2021.02.25
口内炎はほとんどの方が経験があると思います。お口の中に口内炎ができると、食事をしたり話たりするときに痛むので、ストレスに繋がりますよね。口内炎にはいくつか種類がありますが、”義歯性口内炎”と呼ばれる入れ歯をお使いの方に特有の口内炎があります。
今回は入れ歯をお使いの方にできやすい義歯性口内炎と入れ歯の洗浄方法について説明していきます。
義歯性口内炎とは?
入れ歯をお使いの方は外して内側や金属のバネの周りを見てみてください。汚れが付着していませんか?この汚れのことを”デンチャープラーク”といいます。入れ歯もきちんとお手入れしないと、歯と同様に汚れが溜まってしまうのです。このデンチャープラークは石灰化することで歯石のようになることもあります。
デンチャープラークは”カンジダ”と呼ばれる真菌(カビの一種)が占める割合が高いことがわかっています。義歯性口内炎はこのカンジダが引き起こす事がほとんどです。
義歯性口内炎の症状
お口の中のあらゆる所に白くて柔らかいコケのような膜ができたり、赤くただれることがあります。 舌が赤くつるんとして、特に熱い物や刺激のある物を食べた際にヒリヒリと痛みを感じます。 また、味を感じにくくなったり、苦味を感じることがあります。
入れ歯は汚れやすい!
入れ歯は使われている材質の性質上、汚れが付着しやすくなっています。入れ歯のピンクの部分はレジンと呼ばれるプラスチックでできています。このレジンは吸水性なので水を内部に取り込むとき、汚れや匂いを一緒に取り込んでしまうのです。またレジンは小さな傷や亀裂ができやすいため、ここに細菌が入り込んで繁殖してしまいます。さらに入れ歯と粘膜の間に汚れが溜まりやすいため、細菌が繁殖しやすい環境となっているのです。
このように入れ歯は汚れやすいといった特徴があります。ものを噛んだときに入れ歯が粘膜をこすることで粘膜に傷が付きやすく、入れ歯を不潔にしていると口内炎ができやすいのです。
また、カンジダは元々お口の中にいる常在菌であり通常であれば病原性が低いので悪さをすることは少ないです。しかし免疫力が低下するとカンジダが増殖して感染を引き起こします。入れ歯をお使いの方は免疫力の低い高齢な方が多いです。高齢な方は免疫力が下がる糖尿病などの全身疾患をお持ちであったり、免疫力を下げるステロイドなどのお薬を飲まれている方が多く、カンジダによる口内炎ができやすいのです。
入れ歯を不潔にしていると口内炎になりやすいだけでなく、口臭の原因になったり入れ歯のバネを引っ掛けている歯がむし歯や歯周病になりやすくなります。そのためお口の中の環境をきれいに維持していくために、入れ歯を清潔に洗浄することが大事です。
予防するには?
義歯性口内炎を防ぐには、お口の中と入れ歯の両方を清潔にしておくことが大切です。
1.口腔粘膜ケアを行う
入れ歯で覆われている粘膜は唾液による自浄作用が働きにくく、菌が繁殖しやすくなります。特に総入れ歯をお使いの方の中には、歯がないのでお口の中は掃除されないという方もいらっしゃいます。しかし、ガーゼやスポンジブラシ、粘膜ケア用の歯ブラシなどで粘膜を清掃して、清潔に保つことが大切です。
2.義歯ブラシを使う
毎食後にお手入れをすることで、入れ歯に汚れをためないことも大切です。入れ歯を清掃していくときに、義歯ブラシを使っていただくことをおすすめしています。義歯ブラシは義歯専用に作られたブラシで、通常の歯ブラシよりもヘッドの広い面積に植毛がされており、義歯を効率よく磨くことができます。義歯洗浄剤に浸ける前にも義歯ブラシを使ってブラッシングしてください。
3.義歯洗浄剤を使う
入れ歯は毎日使うので、きちんとしたケアが大切です。入れ歯は虫歯や歯周病にならないからそこまでお手入れしなくてもよいと思われがちですが、清掃が不十分になると汚れもたまりますし、それが固くなって歯石のようにもなります。また義歯ブラシだけでは落としきれない目に見えない細菌を、義歯洗浄剤は殺菌してくれる効果があります。入れ歯は基本的に寝るときは外していただくので、その間は義歯洗浄剤に浸けましょう。
義歯洗浄剤には注意が必要です!
義歯用洗浄剤には種類があり、相性によっては入れ歯が変色する可能性があるので注意が必要です。金属のバネが付いている部分入れ歯用のものと総入れ歯用があります。特に金属が付いている入れ歯をお使いの方は注意が必要で、総入れ歯用の義歯洗浄剤を使ってしまうと金属部分が腐食して黒く変色してしまいます。金属のバネが付いている部分入れ歯だけでなく、保険外の総入れ歯にも金属が使われていることがあるので注意が必要です。
金属がついている入れ歯には必ず”部分入れ歯用の義歯洗浄剤”を使用するようにしてください。
入れ歯をお使いの方で合いが悪く、痛みがあったりお口の中に傷がある方は一度歯医者さんに診てもらうことをおすすめします。お気軽にご相談してください。
福岡市南区の歯医者 パセオ野間大池歯科
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パセオ野間大池