マスク生活でこ虫歯や歯周病が増える?!
2021.02.22
新型コロナウイルスの感染が流行しはじめてから約1年。いまマスクを装着して生活することが当たり前となってきました。マスクを装着しての生活に慣れてきたとはいえ、長時間装着しているとお口の中乾燥していると感じませんか?マスクをしていると喉が潤うイメージがあると思いますが、なぜ乾燥してしまうのでしょうか。
マスクをしていると乾燥する?!
マスク生活に慣れてきたとはいえ、マスクを長時間着用していると息苦しく感じます。息苦しいことで、より多くの空気を吸いこむことができるように通常の鼻呼吸ではなく口呼吸をしようとします。口呼吸になることでお口の中が乾燥するのです。
お口の中が乾燥することを専門的に言うと”ドライマウス”といいます。ドライマウスは単に乾燥するだけでなく、お口の中に多くの悪影響を及ぼします。
ドライマウスとは!?
ドライマウスとは唾液の分泌量が減り、口の中が乾燥した状態の事を言います。口腔乾燥症とも言います。 ドライマウスになると、どんな事が起きるのでしょうか…ただ単に唾液が減ると言うだけではなく、唾液が減ることで唇や口の中の乾きを感じ喋りづらい、食べ物が飲み込みにくいといった症状が出てきます。この状態が続くと痛みや味覚異常と言った日常生活を脅かす症状が現れることもあります。日本には推定800万人(10人に1人)の患者さんが居ると言われており、近年急増している病気の1つです。
ドライマウスでむし歯や歯周病になりやすくなる!
虫歯や歯周病の進行にはプラーク(歯垢)と呼ばれる細菌のかたまりが関わっています。 プラークは、食べかすやブラッシング不良による磨き残しと口の中の虫歯菌や歯周病菌が混じり合うことで作られます。唾液にはこのプラークを洗い流してくれる役割があるのですが、唾液が減少するとプラークを洗い流せなくなり、プラークを停滞させ虫歯や歯周病を進行させていくのです。虫歯も歯周病も進行してからでは手遅れと言われています。完全な元の状態には戻らないからです。そうなる前に早期発見・早期治療が大事です。
鏡でお口の中を見てください。舌表面がツルッとしていたり、逆に舌の表面がひび割れていませんか?
また以下のような症状はありませんか?
〜ドライマウスの自覚症状〜
・口の中が乾く
・喉が乾く
・口が粘つく
・寝ている時口の中の乾きで目が覚める
・いつも飲み物を持ち歩いていてよく飲む
・笑った後、唇がくっついて戻りにくい
・食べ物が美味しくない(いつもと味が違う)
・舌がヒリヒリ、ピリピリして痛い
・喋りづらい
・飲み込みにくい
・口臭が気になる
・入れ歯が合わない
・口の中が傷つきやすい
・口内炎が頻繁にできやすい
ご自身、もしくはご家族で気になっている方がいらっしゃる場合は上記の症状に当てはまるかどうかチェックしてみてください。 1つでも当てはまる場合は要注意です。
ドライマウスの原因
マスク生活以外にもドライマウスになってしまう原因は考えられます。
・薬剤の副作用
・過剰なストレス
・糖尿病
・甲状腺機能障害
・腎不全
・筋力低下
・脱水
・放射線治療
・加齢
これらが幾つも重なって複合的にドライマウスとして症状が出てくると言われています。
ドライマウスを誘発する薬剤は以下のものがわかっています。
【呼吸器系薬剤】
喘息の治療薬
せき・痰を抑えるお薬
【循環器系薬剤】
血圧を下げたり、上げるお薬
狭心症予防のお薬
【精神科系薬剤】
不安を和らげたり、落ち着かせるお薬
うつ・めまい・てんかん・パーキンソン病の治療薬
自律神経を整えるお薬
【抗アレルギー薬剤】
花粉症などアレルギーの治療薬
ドライマウスと診断するにはまずは、原因を探ることから始まります。問診の際に詳しくお話を聞かせていただいて、ドライマウスが疑われたら検査・診断という流れになります。
ドライマウスを改善するために
ドライマウスは日常の習慣を見直したり、マッサージや体操を行うことで改善が見込める場合があります。食事の際によく噛んで食べることで唾液の分泌を促すことができます。適度に水分補給をおこない、室内が乾燥しないように加湿器を使うことも対策となります。
また、唾液腺マッサージも有効です。唾液腺には、耳の前辺りにある”耳下腺”、顎の下にある”顎下腺”、舌の下あたりにある”舌下腺”があり、このあたりをマッサージじて刺激してあげることで唾液の分泌を促すことができます。
薬剤が原因でドライマウスになっている場合、可能であれば薬剤を変更していただきますが、難しい場合が多く対症療法が中心となります。具体的には口腔内の保湿スプレーを使ったり、保湿ジェルを塗っていただきます。
口呼吸を改善する”あいうべ体操”
全身のあらゆる病気につながっていると言われてるいる口呼吸。鼻呼吸に改善することでドライマウスだけではなく、体調も良くなるかもしれません。口呼吸から鼻呼吸に改善していくかんたんな体操があるのでご紹介します。
・「あー」大きく口を開ける
・「いー」口を横に大きく広げる
・「うー」前に口を強く突き出す
・「べー」舌を下に思いっきり突き出す
毎食後に10回、1日に30回を続けることで自然とお口の周りの筋力がつきます。日常的にあいうべ体操が行われている小学校もあるそうです。風邪予防効果、気管支喘息・うつ病改善、自己免疫力アップの効果があるといわれています。
ドライマウスはちょっとした工夫で改善することもあります。コロナ禍でマスク生活をしている現在、このドライマウスによって引き起こされる歯周病や虫歯が知らないうちに進行している事があるようです。ドライマウスかな?と思ったら1度歯科医院で相談することをおすすめします。
福岡市南区の歯医者 パセオ野間大池歯科
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パセオ野間大池