長く健康に過ごすために”オーラルフレイル”について知りましょう!|福岡市南区の歯医者なら『パセオ野間大池歯科』へ

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長く健康に過ごすために”オーラルフレイル”について知りましょう!

2021.05.02

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 みなさんの周りに高齢な方はいませんか?そしてその方は不自由なく食事を摂れていますか?日本では世界的に見ても平均寿命が長い超高齢社会となっています。平均寿命が伸びることで健康でお元気な高齢者が増えているとイメージしてしまいますが、健康寿命と平均寿命の差は男性では9年、女性では13年あるといわれています。この期間は高齢者が”要介護の状態”にあるということを意味しています。この要介護の状態になる原因の一つとして”フレイル”が注目されています。

 

フレイルとは

 フレイルとはFrailty(虚弱)という意味の英語から作られた言葉です。「加齢に伴う様々な機能変化や予備能力低下によって健康障害に対する脆弱性が増加した状態」と定義されており、簡単に言い換えると、”なにかストレスがかかったりダメージを受けたときに回復できず、弱った状態のままになってしまう”ということです。フレイルは要介護状態の一歩手前の段階で、適切な介入を行えば健康状態に戻すことができます。

 健康状態から要介護の状態に移行する流れは、健康状態→プレフレイル→フレイル→要介護状態となっていて、このプレフレイルの一つにオーラルフレイルがあります。

 

オーラルフレイルとは

 皆さんオーラルフレイルという言葉をご存知でしょうか? オーラルフレイルとは日本で考案された概念で「Oral(口腔)」と「Frailty(虚弱)」を組み合わせた造語です。オーラルフレイルは、老化に伴うお口の中の状態の変化に加えて、関心が低下したり全身的な予備能力の低下が合わさった状態です。プレフレイルなかに分類されており、食べることが困難になっていくことでフレイル状態に陥りやすくなってしまいます。 また、お口に関しての小さな変化をそのままにしたり、適切な対応を行わないままにすることで、お口の中の機能の低下や食べ物を飲み込む機能(嚥下機能)の低下、さらには全身の機能の低下にまでつながってしまうのです。

 

オーラルフレイルの4つの段階

このオーラルフレイルの進行は4つの段階に分かれます。

第①段階「口腔の健康に対する自己関心度の低下」

 高齢になり社会的な環境や自分を取り巻く環境が変化することで、時として社会から孤立してしまうケースがあります。このように社会的に取り残された状態になっていしまうと、周りから情報が入ってこないことが多くなります。そして気付かないうちにお口に関する関心度が低下して結果として歯を失うリスクが上がってしまいます。

第②段階「口の些細なトラブル」

 食事中にむせたり食べこぼしが増える、滑舌が悪くなるなどといった食事が摂りづらくなる徴候が現れる段階です。高齢な方が虫歯や歯周病で歯を失うと、硬い食べ物を避けてやわらかい食べ物が中心の食事へと移行することが多いと思います。初期の段階では本人は自覚しにくく、ある程度進行してから「食べれないものが増えた」と自覚することも少なくありません。また、食べられるものが少ないと毎回同じような食事になってしまい、食欲の低下に繋がることもあります。オーラルフレイルの考え方ではこの段階よりも進行させないために、ご自身のお口の中の状態を把握することが重要となります。

第③段階「口の機能の低下」

 口腔機能低下症と診断されるレベルです。具体的には、噛む力や舌の動きの低下などお口の機能の低下が顕著に見える状態になっています。この口腔機能の低下により低栄養状態となり、全身機能の低下やロコモティブシンドローム(移動が困難になる)、サルコペニア(筋力の低下)へ陥るリスクが高まります。

第④段階「食べる機能の障害」

 摂食嚥下機能障害としての診断がつくレベルの段階です。この段階では食べ物を認識して胃に送り込むまでの機能(摂食嚥下機能)や食べ物を噛む機能(咀嚼機能)の低下が見られます。これらの機能低下に対しては、摂食嚥下リハビリテーションとしてすでに確立された評価方法や対応があります。これらのリハビリテーションには専門的な知識を有した歯科医師、医師による介入が必要になります。

 

 以上のような4つの段階に分けられ、進行の段階により全身的なフレイルへの影響が大きくなってきます。特に初期の段階の①「口の健康に対する自己関心度の低下」②「口の些細なトラブル」はご自身で予防策などを生活の中に取り入れ、予防と改善に努めることが重要となってきます。この初期の段階で適切な対応、対策をされないと加齢に伴う変化により急速に全身的なフレイルを進行させる要因となります。

 

 身体的フレイルの進行を止めてできるだけ長く健康に過ごし、ご自身の歯で美味しくご飯を食べれるようにするためにも、歯科医院での定期検診が重要となってきます。高齢な方はご自身でフレイル状態に陥っていることになかなか気付くことができません。みなさんの周りに高齢な方がいらっしゃる場合、はやめに歯科医院への受診を勧めていただくことでフレイルの進行を食い止めることができるかもしれません。お気軽にお問い合わせください。

 

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